ヘアケア
ドライヤーの乾かし方でツヤは変わる|順番・距離・風の向き
サロンを出た瞬間の髪は、鏡に映るとしっかり光っている。それが翌朝、自分で乾かすとどこか粉をふいたような質感になっている。そんな経験、ありませんか。「同じシャンプーを使っているのに」「同じドライヤーなのに」と思いますよね。実は仕上がりの差は、髪質よりも先に「乾かす順番・距離・風の向き」で生まれていることが多いんです。今日は道具を買い替えずにできる部分から、順を追ってお話しします。
そもそも、なぜ乾かし方でツヤが変わるのか
ツヤというのは、髪が光をきれいに反射している状態のことです。髪の表面には「キューティクル」という、うろこ状に重なった透明な膜があります。屋根瓦を想像してください。瓦がきちんと寝て並んでいれば、光は一方向にそろって反射します。これがツヤに見えます。逆に瓦がめくれてバラバラだと、光は散らばって返ってくる。同じ髪なのにパサついて見えるのはこのためです。
そしてこのキューティクル、水に濡れているときがいちばんゆるんで開いています。つまり濡れ髪は、瓦がふわっと持ち上がっている状態。ここでタオルでゴシゴシしたり、下から風を当てたりすると、開いた瓦がそのまま逆立って固定されてしまいます。反対に、上から下へ風を流しながら乾かせば、瓦は流れに沿って寝ていきます。
もうひとつ。髪の内部には水分が残っていて、これが少しずつ抜けていく間、髪の形はまだ動きます。だから「どの状態で、どこを乾かすか」という順番が効いてくるわけです。乾かし方の話は、根性論ではなく物理の話だと思ってください。ここが分かると、あとの手順が全部つながります。
順番:根元→中間→毛先。ここを逆にしている方が多いです
多くの方が、無意識に毛先から乾かし始めます。毛先は目に入りやすく、濡れているのが気になるからです。でも順番は、根元が先です。
理由は二つあります。ひとつは、根元は髪が密集していて乾きにくいこと。毛先を先に乾かすと、根元が乾き切るまで毛先には風が当たり続け、必要以上に水分が抜けます。この「乾かしすぎ」がパサつきの正体になっていることが本当に多いです。もうひとつは、根元の毛の向きが全体のシルエットを決めるから。根元が変な方向に乾いて固まると、毛先をどう整えても収まりません。
手順にすると、こうなります。まずタオルで水がしたたらない程度まで押さえる。次に髪を手ぐしでかき分け、地肌に風が届く状態を作ります。指の腹で地肌を軽く動かしながら、前・横・後ろと場所を変えて乾かします。ここで全体の八割まで乾かすつもりで。頭皮が乾いてくると、毛の中間はもう半分乾いています。
最後に毛先。ここは「乾かす」より「整える」時間です。手で軽く引きながら、上から風を落とす。全体が乾いたら止める、ではなく、毛先が乾き始めたら止めるくらいの感覚がちょうどいいです。乾き具合は髪の量や太さでかなり変わるので、初回は少し早めに止めて、触って湿っていたら足す。それで十分です。
距離と風の向き:15cmと「上から下へ」
距離の目安は、髪から15cmほど。手のひらを広げたときの、親指の先から小指の先くらいです。近すぎると一点だけ熱くなり、その部分の水分が急に飛びます。髪の温度が上がりすぎるとタンパク質が変化して、硬く、ざらついた手触りになることがあります。指を当ててみて「熱い」と感じたら、それは髪にとっても近すぎるサインです。
風の向きは、上から下へ。頭のてっぺん側から、毛先の方向に向かって風を流します。さきほどの瓦の話の通り、これでキューティクルが寝ます。ノズル(風の出口の細い部品)を付けたままにしておくと風がまとまるので、向きをコントロールしやすくなります。外している方は一度付けてみてください。
やってしまいがちなのが、根元を乾かすときに下からゴウゴウ当てること。ボリュームは出ますが、その分だけ表面はざらつきます。根元を起こしたいときは、風を下から当てるのではなく、指で根元をつまんで持ち上げ、風は上から落とす。これで立ち上がりとツヤが両立します。
そして最後の10秒。全体が乾いたら、冷風に切り替えて上から下へ一往復させてください。温まってやわらかくなった髪が、冷えることで形が決まります。ここを飛ばす方が多いのですが、朝の収まりが変わる地点です。
乾かす前の3分で、仕上がりの半分が決まる
実は、ドライヤーを持つ前にできることのほうが影響が大きい場面もあります。
まずタオルドライ。ゴシゴシこするのは、開いたキューティクルを削る動作です。タオルで髪をはさんで、上から押す。頭皮はタオルの上から指の腹で軽く動かす。これだけで所要時間は数十秒延びますが、ドライヤーの時間はむしろ短くなります。
次に洗い流さないトリートメント。濡れた髪に付けると、乾かす熱を受け止めてくれる役割をします。付ける位置は毛先から中間まで。根元には基本つけません。ベタつきや、根元がへたる原因になります。量は、ショートなら1プッシュ、ロングでも2プッシュ程度から。多く付けたほうがツヤが出そうに思えますが、余った分は表面に残って重さになるだけです。
そして意外な落とし穴が、髪を放置してから乾かすこと。お風呂上がりにスマホを見て20分、というあれです。濡れたままの時間が長いと、キューティクルが開いたまま摩擦を受け続けます。私たちが「できるだけ早く乾かして」とお伝えしているのは、こういう理由です。
ただ、ここまで全部やってもツヤが出にくい髪はあります。ブリーチや繰り返しのカラーで内部が空洞化している髪、うねりでそもそも髪の面がそろわない髪。この場合は乾かし方の限界があるので、施術側で表面を整える必要が出てきます。当店の髪質改善は、この「土台をそろえる」ための選択肢です。ただし何がどこまで必要かは、髪を見てから判断します。
まとめ
順番は根元から、距離は15cm、風は上から下へ。最後に冷風で10秒。まずはこの4つだけで、明日の朝の光り方が変わるかどうか試してみてください。それでも収まらない、ツヤが戻らないという場合は、髪の状態そのものに原因があるかもしれません。Avelleは自由が丘駅から徒歩4分、1人のスタイリストが仕上げまで担当します。ご自宅での乾かし方も、お使いのドライヤーに合わせてお話しできますので、気軽に聞いてください。
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